今度こそ届くか。あと少し高く高く。


集中力を錠剤にして十錠。
一部始終を全く見ていなかったハリネズミが言う。
「面白くないな、作り直そう。」
お湯を沸かしていたことを思い出した僕は席をたつが、
台所に隠れていたピンクのバクをうっかり見つけてしまって、
蛇口をひねって一からやり直す。
「おい、そんなものをひねるのはやめろ。」
やっぱり見ていないハリネズミがキンキンと叫んだ。

ようやく水が流れ出す。
慌てて喜んで避難する。
流されて死んで後悔する。
それでまた喜ぶ。

ようやく輪郭が見えてきた
ゴイサギが旅行カバンの下敷きになる。
青い背中を押しつぶされて声も出ない。
駆け寄ったハリネズミが大きな身振りで励ますと、
大空にいるかのように、静かにゆっくりと羽ばたいた。

試行錯誤中。ああでもない、こうでもない。