今度こそ届くか。あと少し高く高く。


集中力を錠剤にして十錠。
崖の先端に咲く花を見ようとして海に落ちたり、
花束の中に爆弾が仕込まれていたり、
花の香りに誘われて眠ってしまったり、
ようやく分かった。花はいつも罠だ。
棺の中に花を満たすのももちろん罠だけど、
それが何を狙った罠なのかは、
僕らはもう忘れてしまった。

「はなまちどり」リリース。
こういうコンテンツが流行る!という確信は全くなかったけれど、
こういうコンテンツが欲しい!という気持ちには迷いがなかったので、
迷わず進んでみることにした。
行くしかないだろ?だってあそこに花が咲いてるんだぜ。
同じ思いの人が一人でもいたらいいな…と思いながら船を漕ぎ出すのは、
僕の考える「もっとも基本的なウェブ」のイメージに近い。
すごくすごく楽しいイメージだ。
架空ストア一周年の今日、毛をむしられたくないので私は遠くから眺めていたが、店から出てきた鳥を見つけたので話を聞いた。
彼(彼女かもしれないが)は内部の様子を撮影した写真を見せてくれた。

どうやらタマゴのようである。
親鳥はいなかったということで彼はとても心配していた。

数ある商品の中、彼はミカンを購入したそうだ。
店員に勧められたという話だったが、私には店員がいるようには見えなかった。
天井付近にいたのかもしれない。
とにかく毛は大切なので私は早々に退散したのだが、山猫のロックは一度聞いておくべきだと思った。
ゴール直前で、自分が何のスポーツをしていたのかわからなくなる。
ゴールと言うからにはサッカーかも知れないけれど、
キーパーの姿は見えないし、蹴るべきボールも見当たらない。
「何やってんだ!」と後ろからハリネズミの声がする。「早くしろ、馬鹿。」
振り向いた瞬間、どちらが前かわからなくなって僕は消えた。

あと少し。
一部始終を全く見ていなかったハリネズミが言う。
「面白くないな、作り直そう。」
お湯を沸かしていたことを思い出した僕は席をたつが、
台所に隠れていたピンクのバクをうっかり見つけてしまって、
蛇口をひねって一からやり直す。
「おい、そんなものをひねるのはやめろ。」
やっぱり見ていないハリネズミがキンキンと叫んだ。

ようやく水が流れ出す。
慌てて喜んで避難する。
流されて死んで後悔する。
それでまた喜ぶ。

ようやく輪郭が見えてきた
もはや誰もいない海。
誰も見ることのできない海。
見てしまってはいけないのだけど、
見えてしまったらのなら仕方ない。
神様だっていないのだから、
ちょっとくらいの無作法は大丈夫だ。

新しい海のシステムを利用して出力したので、アルファベットが表示されている。
まだ陸地が残っている。驚き。
望遠鏡と顕微鏡の差は、
覗き込んだ先の、見えた先の世界に憧れたとして、
そこに行けるか行けないかの差かも知れない。
ゴイサギが旅行カバンの下敷きになる。
青い背中を押しつぶされて声も出ない。
駆け寄ったハリネズミが大きな身振りで励ますと、
大空にいるかのように、静かにゆっくりと羽ばたいた。

試行錯誤中。ああでもない、こうでもない。
雨のうちに作業を進める。
雨の日は出かけたいのか出かけたくないのか、
そろそろ態度をはっきりさせた方がいい。
ハリネズミによれば、それはしごく当たり前のことなのだ。

いよいよリリース間近